民法は社会の鏡、民法改正を学んで社会の変化を知ろう
藤澤 治奈 教授 Fujisawa Haruna
主要担当科目 : 民法/担保物権法
民法が改正され、2022年4月1日からは、18歳以上の人が成人となります。これまでとは違って、大学生は皆、成人となるわけです。「成人式」という式典があるように、一人前の大人になることは嬉しいことのようにも思われますが、実は、成人になると、未成年者を保護する民法の規定が適用されなくなります。そのため、高校生や大学生が、契約のトラブル等に巻き込まれることが増えるかもしれません。法学科の授業では、民法や関連する法律について基礎から詳しく学び、複雑化した契約社会で生じる法的な問題を解決する力を身につけます。このことにより、自分の身を守ることができると同時に、社会に出て誰かを助けることもできるようになります。
ここでは成年年齢に関する民法の改正について紹介しましたが、これ以外にも、近年、民法の改正が相次いでいます。日本の民法は、明治時代に制定されたもので、これまでは、戦後の家族法改正を除けば、大きな改正はなかったのですが、日本社会のグローバル化や少子化など、様々な課題に直面し、変化を迫られているのです。民法を学ぶことは、単に条文の内容を知るだけではなく、民法というツールを使って社会が抱える課題を解決する方法を模索することでもあります。その意味では、今が、民法を楽しく学ぶのにベストなタイミングと言えるでしょう。私は、大学院に進学して以来、民法のなかでも担保物権法という分野の研究を続けてきましたが、この分野でも改正作業が進行中で、研究の意義や面白さを実感しているところです。学生の皆さんとも、講義やゼミでたくさん議論して、新しい民法を考える面白さを共有したいです。